浜辺の茶屋
沖縄県南城市玉城玉2-1
098-948-2073
駐車場に車を置いて急な階段を下りると、昼なのに店内は薄暗いです。この事が重要だと気づくのは後になってからです。 この店の真価は南側一面に大きく開けられた窓で窓際に一列に並んだ席から見える浜辺の風景にあります。テーブル席から窓を見ると、見たことが無いような美しい沖縄の海です。店の中は薄暗く、窓の外の明るさと比べれば真っ暗といっていいです。室内の暗さが、窓の風景を絵画さながらに際立たせています。このカフェは風景を絵画、あるいは写真のように切り取って客に提供しているのです。これはとても新鮮でした。後ろのテーブル席からだと黒い窓枠越しに海が映え、心に沁みるような情景となります。窓際の席だと暗さが和らぎますが、その代り映画館の最前列にいるような錯覚を覚えます。
日差しの強い晴れた日だったので黒と白のコントラストが強烈で青い空とターコイズグリーンの海は鈴木英人のイラストのような原色の風景です。店を出て階段を上り、屋上から振り返るとさっきまで見ていた海が見えます。しかしそれは沖縄のどこでも見れる、見飽きた風景です。店の中のあの薄暗い空間だからこそ、見たことが無いような沖縄の海を見ることができます。見せ方ひとつでここまで変えられるのかと驚かせてくれました。
店から浜辺に降りる途中にテラス席があって人見知りしないネコが退屈そうに店の内と外を出たり入ったりしてました。浜辺に降りると石灰岩の岩場にには大きな菊目石（サンゴ）が落ちていました。カフェと浜辺とネコ ゆったりとした時間が流れています 2014.1.24