防潮堤&壁面アートPicture written on the seawall & the wall

seawall   

  • 長松海岸/大阪府泉南郡岬町
  • 室津小学校/兵庫県たつの市御津町室津
  • 家島宮港/姫路市家島町
  • 大浜海岸/洲本市海岸通り
  • 須磨海岸/神戸市須磨区
  • 長田漁港/神戸市長田区
  • 兵庫運河/神戸市兵庫区
  • 兵庫運河築島水門/神戸市兵庫区
  • メリケン波止場/神戸市中央区  

wall  

  • 神戸ミューラルアート(メリケン波止場、ハーバーランド、海岸通、市役所)/神戸市中央区
  • こうべメトロわくわく散歩道/神戸市中央区
  • 高村智恵子「あじさい」神戸文化ホール/神戸市中央区
  • 兵庫津ミュージアム/神戸市兵庫区  
  • 道頓堀アートストリート/大阪市中央区
  • あびこ観音PRポスター/大阪市北区
  • 北加賀屋/大阪市西成区
  • 淀川ミューラルアート/大阪市淀川区  

object     

  • Workers working on roof repairs/神戸市中央区

長松海岸

長松海岸は大阪府で唯一の自然海岸です。1999年に「夕陽の100選」に指定されたのを機会に、翌年2000年に岬ロータリークラブが大阪府港湾局、岬町、地域住民の協力で防潮堤450mにも及ぶウォールペインティングを制作。10年かかって完成したとか。従って10年から20年も経つので塗料が剥げたりし色褪せていました。個人や家族、クラスや学校の仲間、スポーツや文化団体などの他、「岬町職員組合」と書かれたものもあり、岬町が総力を挙げて取り組んだことが伺われます。それぞれが何の制約もなく自由に描きたいことを描いたようです。共通するのはハッピーな作品ばかり。アーティストの作品に見られる意味不明で難解なものはありません。夫婦とお腹にいる赤ちゃんの3人が登場するマンガなどちょっと笑えました。何のグループかわからないが「オリーブ会」「絵手紙クラブ」の作品はユニークです。



室津小学校

たつの市御津町室津漁港は牡蠣の産地で漁船や牡蠣小屋や店で活気にあふれていました。漁港外れにある室津小学校は令和3年3月に閉校になり150年の歴史に幕を下ろしました。小学校校庭裏の防潮堤に小石を敷き詰めたキャンバスに海の生物が描かれていました。おそらく小学校の生徒(生徒といっても閉校前は10人程度)が描いた作品でしょうか。2024.2.9


家島宮港

瀬戸内海の東の播磨灘に浮かぶ家島諸島は44の島からなりたち、人が住んでいるのは家島、男鹿島、防勢島、西島の4島。家島本島には全体8000人の60%の人が住んでいます。家島には港が真浦と宮の2か所あり姫路飾磨港から30分、乗船し真浦港で降りたら絵が見当たらない。道行くおばさんに「絵はどこなんですか」と尋ねたら最初意味がわからないでいたが、思い出したように「宮の方ですよ。小学校と神社があります」と丁寧に教えてくれました。宮港まで歩いて20分くらい。入り組んだ湾を囲むのは高さ1m弱のコンクリート防波堤。そこには島の生徒が卒業記念などに描いたペンキアート。学校は姫路市立家島小学校、家島中学校、県立家島高等学校があります。描かれて古いものはかなり色褪せていた。それでも子供たちの自由奔放と元気いっぱいな姿が想像されほっこりした気分になりました。1991と書かれたものもあって卒業して30年や。みんな大人になってこの離島から都会に出てるんだろうね。彼らは帰省して自分たちの少年時代に書いた絵を見つけた時、どんな思いに耽るのだろうか。真浦港に戻り釣具屋の手前にあった魚屋さんで生け簀で泳いでいた石鯛に似た縞々の魚を一匹買いました。店頭で「おばさんいくら」「うーん?100円やな」バケツに海水を入れて持ち帰ろうとしたら「すぐ死ねで」それを店の中で聞いていた別のおばはんが「したいようにさせたらいいねん」おっしゃる通りやからちょっと笑えました。乗船時間まで40分もあったが海が見えるカフェ「スコット」のオーナーから家島の釣り情報を教えてもらったり、釣り談義をし乗船までちょっといい時間を過ごしました。帰宅しその魚の名前を調べたらセトダイと判明、水槽の仲間入りしました。

往)姫路飾磨港11時40分に乗船 

復)家島真浦港15時45分に乗船 

2021.12.15


大浜海岸

淡路島の成ケ島(洲本市由良町)※に行く途中、洲本温泉街を過ぎたところ大浜海岸の防潮堤に描かれていました。釣りができそうな突堤だったので立ち寄ったところ大浜壁画と題され地元の洲本高校の生徒が書いた素晴らしい出来栄えの防潮堤アートを発見。青から赤、赤から緑へと色調が変化。昨年2021に制作され汚れや剥がれがなく他の壁面アートに比べたいへんきれいな状態でした。壁面アートはとにかく長いのでスマホで撮影したが30枚ほど必要でした。2022.6.29
※淡路島に張り付くように紀淡海峡沖に位置する南北2.5kmほどの砂州によって形成された無人島。江戸初期には、島北端に成山城が築城され、淡路支配の拠点であった歴史や、旧日本陸軍の由良要塞の砲台跡も残る。ハマボウやハママツナ、シオマネキなど塩生湿地の動植物の生息・生育地として、またウミガメの産卵場として、大阪湾における学術上貴重な自然環境を有する。

須磨海岸

須磨海水浴場に仮設された海の家に描かれていました。釣りに来てグレートフルズでアイスコーヒー飲んで、夕方だったので店も閉まっていましたが、防波堤アートではありません。仮設小屋アートですが、海のそばなのでsea wallに。

長田漁港

インターネットで[防潮堤アート]を検索していたら偶然この壁画が神戸市長田区の文化活動の一環であることがわかり、しかも製作過程まで判明、説明を読むと学生が下絵を描きプロのアーティストが完成させたものという。駒ヶ林地区の不法投棄を防ぐ活動「コマハマギャラリー」駒ヶ林の防潮堤をアートギャラリーにするというもの。素材は著名な画家の名画。学生が下絵を描いてその絵をプロのアーティストが再現したとのこと。ピカソ「泣く女」、マネ「黒い帽子のベルト・モリゾ」、クリムト「ユデイト」、フェルメール「真珠の耳飾りの少女」、ゴッホ「自画像」等が描かれています。


兵庫運河

須磨海浜水族園とコラボし地域の小中高校生から公募した海の魚や生物を描いたデザインが人通りの少ない兵庫運河の防潮堤にあります。すぐれたデザイン画がたくさん展示されています。「防潮堤水族園」と名付けられ計画の趣旨と実行について説明されている案内もありました。

①須磨海浜水族園から委嘱された、イラストレーター山崎秀昭さんの作品です 

②地域の小中高校生の作品です


兵庫運河築島水門

これはアート作品ではなく神戸・清盛隊のPR看板。神戸兵庫区の和田岬線を車で走っているとサイズがでかいので見える。水門のローラーゲートに描かれています。神戸・清盛隊って何のことだるうとインターネット検索したらWIKIが出てきました。「神戸・清盛隊は、神戸市を中心に活動するおもてなし武将隊。CDを発売しており、定期的にライブも行う。大河ドラマ「平清盛」放映にあわせた神戸市観光キャンペーン「KOBE de 清盛 2012」のPRキャラバン隊として結成された。平家の歴史と生き様、想いをテーマとした歌・殺陣・語りを融合させた「演舞」を披露している。神戸市内での定期演舞を主とし、神戸市内外でのイベントへの出演、CD発売・インストアライブなどを行っている。」神戸の観光キャラクターみたいなもんだね。


メリケン波止場

明治政府が兵庫港第3波止場として開設。当時、波止場のすぐ近くに米国領事館があったことから、「アメリカン」の英語の原音発音から「メリケン」波止場と呼ばれるようになった。大正時代に中突堤と新港突堤が竣工するまでは、高浜岸壁とともに神戸港を代表する波止場であった。 1987年に波止場の西側一帯が埋立てられてメリケンパークとなり、神戸の異国情緒を表す場所として映画のロケなどにも使われている。

最後から3点は保育所の園児の作品です


神戸ミューラルアート

Feel Kobe(神戸公式観光サイト)よりミューラルアート巡り

ミューラルとは

「ミューラル」とは英語でMural Artと呼ばれるものを指しており、直訳すると「壁画」となります。ただ、壁画というと古代の洞窟壁画や中世の宗教壁画のイメージもありますし、近年の日本国内でのアートプロジェクトでもミューラルという呼称が使われるようになってきました。ミューラルと似た言葉に「グラフィティ」があります。これも壁面へのペイントを指していますが、ミューラルとどう違うのでしょうか。壁面の所有者・管理者の承諾なしに描かれるものがグラフィティ、承諾のもと描かれるものがミューラルという区別がされることが多いようです。この結果、自然と両者に見た目上の違いも生まれてきます。許可なしに壁の所有者・管理者の目を盗んで描かれるグラフィティは、短い時間で壁の一部に小さく簡素なデザインで描かれることが多いようです。バンクシー※の一部の作品は当局によって消去されています。一方、ミューラルは許可を受けてじっくり描くことができるため、壁一面を利用して大規模に、より緻密なデザインで描かれています。また、ミューラルの方がより多くの人数のグループで描かれることがあるのも違いかもしれません。ミューラルが果たす役割として、アートによってストリートを装飾することや、アーティストが表現の場を得ることはもちろん大きなものです。しかし、ニューヨークにあるミューラルには、単なるアートとして存在しているわけではないものが多くあります。それでは、アートにとどまらないミューラルの役割とは 
役割その1 コミュニティのアイデンティティを表現 
役割その2 啓発から社会の変化へ

神戸ミューラルアートプロジェクトについて

バンクシーの作品

メリケン波止場フィッシュダンスホールの壁面に描かれた絵=神戸市中央区波止場町2 


ハーバーランド、海岸通、三宮


 神戸市役所2号館のミューラルアート

2020年7月13日から「Kobe Mural Art Project(神戸ミューラルアートプロジェクト)」が制作を進めてきた神戸市役所2号館とクーリングタワーのミューラルアート(壁画)が8月14日、完成した。 昨年12月に発足した民間団体「Kobe Mural Art Project」とクロスメディアイベント「078KOBE」の連携プロジェクトとして、市庁舎2号館の南北の壁面にミューラルアートを描く「2号館ありがとうプロジェクト」と、花時計跡に仮設した本庁舎クーリングタワーの防音はらら壁活用実証事業の一環。 1957(昭和32)年から市庁舎として活用されてきた市役所2号館。阪神・淡路大震災で崩壊し、修繕・補強してから25年が過ぎた。建物の老朽化などの理由で今年の秋に解体することが決まっており、「これまで頑張ってきた2号館に感謝してお別れしたい」との思いから、ミューラルアートを描くアートイベントを企画した。 市庁舎2号館のミューラルアートを手掛けたアーティストは、南側3~4階=TITIFREAK、南側1階通路=Comic Heads、北側3~4階=HITOTZUKI。クーリングタワーは、南面(海の面)=KAC、西面(街の面)=佐藤未瑛、北面(山の面)=saggy steezとVERO&KERO。

神戸市役所2号館隣のクーリングタワー防音壁に描かれた作品


2020年から解体中。既に見れなくなった神戸市役所2号館の南北の壁(10m×30mくらいの大きな壁面2か所)の作品

HITOTZUKI
HITOTZUKI

高村智恵子「あじさい」

この作品は智恵子抄などで著名な洋画家の高村智恵子が1934年に書いた紙絵を陶板にしたものです。神戸文化ホールの西壁に描かれた巨大な壁画(高さ20m幅13m)描かれているのはあじさいです。高村智恵子は明治から昭和にかけて活躍した画家で、夫は道程、智恵子抄などの詩集で知られる高村光太郎です。とても大きな壁画ですが、華やかさはないが見る人を穏やかにさせてくれます。智恵子抄の「レモン哀歌」を読むと智恵子の晩年は悲しい。発狂した智恵子に光太郎はレモンを探し求め、病床の智恵子に与えたら口にした智恵子は一瞬生気を取り戻したようだったが、直後に息をしなくなった。とありました。智恵子は52歳で肺結核で亡くなりました。智恵子を愛した光太郎の悲しみは死後「智恵子抄」の28編の詩に表現されています。


こうべメトロわくわく散歩道

高速神戸駅・新開地駅間の地下街「メトロこうべ」に、神戸の懐かしい風景や歴史、「メトロこうべ」の生い立ちなどが描かれた、全長60mの巨大壁画「昔なつかしわくわくさんぽ道」を設置。今回設置する壁画は、イラストレーターのもふもふ堂さんと都あきこさん(壁画全体をプロデュース)が作成。市電が走っていた頃の神戸の懐かしい風景を描いたもふもふ堂さんのイラストと、都あきこさんのイラストがつながり、それぞれの時代の出来事や人々の暮らしぶりが描かれています。


兵庫津ミュージアム

県立兵庫津ミュージアム建設のため工事防護壁に掲示された地元小学校の生徒の作品集。2021.11に同館はオープン


あびこ観音PRポスター

大阪西梅田駅地下通路壁面に掲示されたあびこ観音の「厄除節分はあびこさんへ」とキャッチが書かれたPRポスター。迫力ある祈りの写真とそのサイズ(50Mくらい)に圧倒される


道頓堀アートストリート

道頓堀川遊歩道にウォールアート 壁に経済価値見出す。大阪をテーマに描かれたウォールアートが2019年7月7日から、道頓堀川遊歩道「とんぼりリバーウォーク」で展示。大阪市から同遊歩道の管理を受託している南海電気鉄道が、シェアリングエコノミーを展開する180(ワンエイティー)(兵庫県神戸市)と連携して手掛ける。展示エリアは大黒橋から新戎橋間の約145メートルで、側壁パネルにボードを取り付け、その上に作品を描く。作品数は18点で、それぞれ高さ2メートル、幅5.4メートル。印象的な作品もあるが駄作も混じっていました。それぞれが「元気な大阪らしさ」をテーマに作品を描く。企業はアーティストへの制作費用を含む展示料を払えばロゴや商品を同エリアで宣伝できる。今後は広告やアート作品の展示数を増やし、大黒橋から新戎橋の両岸全ての壁を埋めることを目指す。

 制作者 BAKIBAKI/YOHEYY/Titi Freak/WHOLE9/ハタヤママサオ/COOK/CAB/GRIND PENCIL

(画像をクリックするとアーティスト名がわかります)

 道頓堀アートストリートについて


北加賀屋

「壁面アート 大阪」で検索したら北加賀屋のウォールアートに関する多数の記事や画像が出てきました。アーティストたちがこのエリアに複数の拠点を持ち、民間所有の壁面にペイント、街の活性化を目的とし組織的な活動を行っているようだ。さっそく訪ねて見たが、アート作品の所在場所が散在していてしかもかなり小さな作品も含んでいて気がつかないものもあり。探して回るのがたいへんでした。特によかったものとしては名村造船所大阪工場跡地の壁面にある「b.friends on the wall」ギリシャからやってきたアーティストb.(ビードット)と小学生たちが共同し、約100mの壁に描いたキャラクターたち。(画像をクリックしたらアーティスト名がわかります。地図はダウンロードすると拡大できます)


淀川ミューラルアート

2021年3月に淀川区役所のサポートのもと、"医療従事者への敬意"をテーマにナイチンゲールの肖像画を、淀川区在住のアーティストBAKIBAKIが手がける。そのBAKIBAKIが発起人となり、淀川区に壁画を増やしていくプロジェクト"淀壁"を発足。クラウドファウンディングで資金調達をして9月下旬より区内の5つの壁を制作。壁画を通した地域活性化をテーマに民間で独自に5年間継続して壁画を増やしていく取り組みで、海外アーティストを招聘した国際交流も視野に入れている。

<運営>
淀壁実行委員会  https://readyfor.jp/projects/yodokabe

発起人:BAKIBAKI
メンバー:川添孝信/ 久永連平(WALLSHARE株式会社

<掲載メディア>
読売新聞 / https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20210630-OYO1T50009/
毎日新聞 / https://mainichi.jp/articles/20211025/k00/00m/040/088000c
朝日新聞 / https://www.asahi.com/articles/ASPCC3R1ZPCCPQIP00C.html
淀マガ / https://www.city.osaka.lg.jp/yodogawa/page/0000540896.html
ザ・淀川 / http://the-yodogawa.jp/backno/202109/
まいどなニュース / https://maidonanews.jp/article/14429516

BAKIBAKI/十三東2丁目2-3 ナイチンゲールをモチーフ

LANP/十三東2丁目1-10

DOPELL/西中島2-4-2 岡本太郎をモチーフ

NAZE/木川西4丁目1-16

カツマタヒデユキ/三津屋北3丁目1-37


Workers working on roof repairs

作業服、ヘルメット姿の作業員が倉庫の屋根の上でペンキを塗っている。神戸ハーバーランド赤煉瓦倉庫の対岸に見える作業員の作業風景を模したリアルなマネキン。神戸市が1991年にハーバーランドの街開きに合わせ、水辺の景色を楽しんでもらおうと設置したもの。2006年に修理しリニューアル。阪神大震災や台風の影響で当初11体あったが現在は8体。これはユーモアあるシュールなアート作品です。